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【ホットピ!~HotTopic~】澤穂希さん(第22回日本サッカー殿堂)インタビュー「非常に光栄なこと。これまで携わってくださった全ての方々に感謝したい」

2026年10月08日

【ホットピ!~HotTopic~】澤穂希さん(第22回日本サッカー殿堂)インタビュー「非常に光栄なこと。これまで携わってくださった全ての方々に感謝したい」

2026年度第22回日本サッカー殿堂において、元なでしこジャパン(日本女子代表)の澤穂希さんが、選手選考の女子部門(今年度より新設)では初となる殿堂入りを果たしました。15歳で日本女子代表に初選出されて以降、日本女子サッカーを長くけん引され、数多くの功績を残されてきた澤さんに殿堂入りへの思い、サッカーへの思いについて聞きました(第22回日本サッカー殿堂掲額者のプロフィールなど詳細はこちら)。

※このインタビューは2026年9月1日に実施しました
※第22回日本サッカー殿堂式典(9/1開催)のレポートはこちらを参照

蹴ったボールが初めてゴールに入ったときのうれしさが、サッカーの原点

――日本サッカー殿堂入りおめでとうございます。決まったときの率直な思いをお聞かせください。

澤 なでしこジャパンとしては2023年に殿堂入りさせていただいたのですが(※)、個人としては全く考えたことがなかったので正直驚いています。いろいろな方が投票してくださったと聞いて、とても光栄に思いました。長いサッカー人生の中で、自分の原点となる府ロクサッカークラブに始まり、読売ベレーザ(現、日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、INAC神戸レオネッサ、そして海外のチームを含め、今まで携わってくれた方々がいなければ成し得なかったものなので、心から感謝しています。

※2023年の第19回日本サッカー殿堂で、FIFA女子ワールドカップドイツ2011で優勝したなでしこジャパン(日本女子代表チーム)が殿堂入り

掲額式典でラモス瑠偉さんと。「ベレーザに入って一番衝撃を受けたのがラモスさん」と澤さん。
読売クラブの練習後にボール回しやゲームを一緒にする機会もあり、
「当時12歳の私にも容赦なく本気でプレーしていただいたことがうれしかった」と振り返る

――府ロクSCでサッカーを始められたのは小学2年生のとき。初めてサッカーに出合ったときのことは覚えていますか。

澤 覚えています。最初は小学1年生のときでした。兄がサッカーを始めた影響で私も練習を見に行って、そのとき蹴ったボールがゴールに入ったことがすごくうれしくて。当時は女の子がサッカーをやっている環境はほとんどなかったのですが、サッカーが好きだという気持ちと初めてゴールを決めたときの成功体験がサッカーを始めるきっかけになりました。

――中学生になると強豪のベレーザに加入されます。男の子たちの中に女の子が1人という府ロクSCの環境から、女子の先輩たちに囲まれる環境に変わりました。

澤 選手の年齢もさまざまで、日本女子代表もいるチームでしたし、私も中学生になったばかりだったので、大人と一緒にするサッカーはフィジカル面でも技術面でも、戸惑うことばかりでした。でも、近くにヴェルディ(当時は読売サッカークラブ)の選手たちがいたり、自分と同年代の選手もいたり、切磋琢磨して成長できる素晴らしい環境でサッカーができていたなと思います。

――15歳のとき、1993年のアジア女子選手権(現、AFC女子アジアカップ)で日本女子代表に初選出、国際Aマッチデビューも飾りました。代表に初招集されたときは?

澤 本当にうれしかったですね。中学2年生のときに代表候補合宿に参加したのですが、第1回のFIFA女子ワールドカップ(1991年/当時、FIFA女子世界選手権)に出ている先輩もいましたし、まさか自分が選ばれるとは思ってもいませんでした。でも、そうした先輩方がいた中で自分の目標とする場所も明確になったのはすごく良かったと思います。私に機会を与えてくださった当時の鈴木保監督にも感謝しています。

2011年のFIFA女子ワールドカップ初優勝、みんなの姿が戦う原動力に

――FIFA女子ワールドカップに6大会、オリンピックにも4大会出場されるなど、代表選手として数々の実績と功績を積み上げられました。中でも忘れられない出来事は何でしょうか。

澤 本当にたくさんあるのですが、やはり2011年の女子ワールドカップ優勝は、日本の女子サッカー界にとってはもちろん、日本サッカー界全体の歴史を変えた出来事だと思うので、一番印象に残っています。

2011年FIFA女子ワールドカップ決勝では、延長戦で劇的な同点ゴールを決める。同大会では
5得点1アシストを記録、日本人初となる得点王とゴールデンボール(大会最優秀選手)の個人賞二冠を達成した

――キャプテンを務められた大会でもありました。いま振り返って、ご自身にとってどのような大会でしたか。

澤 (大会前に)東日本大震災があり、日本にとって大変な年でしたが、当時のなでしこジャパンの選手たちは長い間、苦楽を共にしてきた仲間で、「もっともっとみんなと一緒にサッカーがしたい」と思えたチームでしたし、すごく楽しくて学びの多い大会でした。選手もスタッフも、誰一人欠けても優勝はなかったと思います。試合に出ている出てない関係なく、みんながチームのために動いていて、誰一人置き去りにしない、本当に「チーム」でした。

――アメリカとの決勝は、2度リードされながらも全員が最後まで諦めずに戦う姿が印象的でした。決勝で印象に残っていることはありますか。

澤 試合前はみんな緊張しているかなと思いきや、ロッカールームでは笑顔ですごく楽しそうで、ワクワクしている感じだったんですね(笑)。私も緊張感はあったのですが、そんなみんなの笑顔を見ていると落ち着くことができました。

ワールドカップの決勝は、本当に選ばれた人しか立つことのできない特別な舞台です。ケガやいろいろな理由で立てなかった選手もいます。だからこそ、多くの人の思いも背負って、そこに立てる感謝の気持ちを持って試合に臨みました。自分たちより格上のアメリカに攻め込まれることは分かっていましたが、ただ攻撃を受けるのではなく、自分たちでアクションを起こし、自分たちのリズムで攻撃することもできました。失点した後は一瞬だけネガティブな気持ちになりましたが、どの選手もすぐに切り替えていて、全員の「この試合に勝ちたい」「絶対に諦めない」という気持ちが、ピッチからもベンチからも伝わっていました。自分も苦しい時間帯はありましたが、みんなを見ていたら「もっと頑張れるぞ!」という思いが沸き上がってきて。本当に、すごく楽しかったですね。練習もハードなことが多かったのですが、本当に楽しい大会だったなって思います。

2012年ロンドンオリンピックでは銀メダル獲得、2015年の女子ワールドカップ(写真)でも準優勝を果たす。
代表への思いについて「年齢を重ねる中で日の丸をつける重さや責任、自覚がどんどん芽生えていった」と澤さん

チャレンジする楽しさや成功体験を子どもたちにも感じてもらいたい

――人生のほとんどをサッカーと共に過ごされてきました。あらためて思うサッカーの魅力とは?

澤 ボール1個、みんなでパスをつないでゴールに向かっていくこと、いろいろなアイデアを持ちながら、みんなで何かを達成する面白さが魅力だと思います。一人ではできなくても、得意不得意がある中でも、みんなの得意なことを組み合わせて、パズルを埋めていくように仲間とチームをつくり上げていく過程も楽しいですね。サッカーの技術も大切ではありますが、うまくいかなかったときにみんなが同じ方向を向いて乗り越えられるチームは、やっぱり強いです。

日本女子サッカーリーグで10回、皇后杯JFA全日本女子サッカー選手権大会では11回の優勝を経験。
現役最終年の2015年には第37回皇后杯決勝でチームを優勝に導く決勝ゴールを挙げた

――JFA Magical Field Inspired by Disney(以下、マジカルフィールド)ではキャプテンを務められるなど、現在は普及活動にも積極的に参加されています。サッカーを通して、子どもたちにはどんなことを伝えたいですか。

澤 子どもたちには、新しいことを始めるときに「失敗したらどうしよう」とか不安もあると思うけど、サッカーでもそれ以外でも何でもいい、好きなことを見つけてチャレンジすることが大切だよ、と伝えています。私もそうでしたが、「自分にもできた」「楽しかった」という成功体験は、その後の人生にも大きく影響します。チャレンジする楽しさを一人でも多くの子どもたちに感じてもらいたいですね。最初は緊張していたり、テンションが低かったりする子どもたちもいるんです。でも、みんなと協力してプレーする中でだんだんと笑顔になっていって、イベント後には「楽しかった」「もっとやりたい」と言ってくれる。それがとてもうれしいんです。これからも私にできる形でサッカーに携わっていきたいなと思っています。

現在はJFA Magical Field Inspired by Disneyをはじめとする普及活動に数多く参加し、
全国の子どもたちと触れ合うなど、日本サッカーの発展に尽力している

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