JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > 最新ニュース一覧 > 熱中症対策:飲水タイムの重要性

ニュース

熱中症対策:飲水タイムの重要性

2026年08月12日

熱中症対策:飲水タイムの重要性

厳しい暑さが続く中、全国で熱中症による健康被害が発生しています。
サッカー活動においても、熱中症予防は安全な環境づくりに欠かせません。
本記事では、熱中症対策の一つとして実施されている「飲水タイム」の重要性を紹介します。
選手・指導者をはじめ、サッカーに関わるすべての皆さまにおかれましては、改めて熱中症対策の徹底をお願いいたします。

はじめに

日本サッカー協会(JFA)は、安心安全なピッチづくりを目的として、2016年に「熱中症対策ガイドライン」を策定し運用してきた。このガイドラインは単なる規制ではなく、科学的根拠に基づいた暑熱対策を現場に浸透させることも目的としており、安全な文化を醸成するための実践的指針でもある。
ここではガイドライン全体の考え方を概説するとともに、サッカー特有の対策である「飲水タイム」について、その運用方法、現場での意義についても詳述する。

JFA熱中症対策ガイドライン策定の背景

JFAでは、1997年6月に「サッカーの暑さ対策ガイドブック」を策定して、熱中症に対する注意喚起を行ってきた。
しかし、地球の急激な温暖化により、1997年と比較すると夏期の猛暑日だけを見ても数倍になっていること、また、十分な熱中症対策が講じられていない競技会運営が散見されること、さらには選手のみならず試合の観戦者にも熱中症が多く発症していることを受けて、2016年3月に、選手とともに、スタッフ、審判員、観客を含めた全てのサッカーファミリーを守ることを目的として「熱中症対策ガイドライン」を策定した。

飲水タイム

飲水タイムは、試合中に短時間プレーを中断し、全選手が確実に水分補給を行うことを目的とした措置である。特にWBGTが高い環境下では、喉の渇きという自覚症状に頼った給水では不十分であり、計画的な水分補給が不可欠となる。
この短時間の給水でも脱水進行を抑制し、体温上昇速度を緩やかにする効果が期待できる。また、選手の表情や動作を確認する機会となり、体調異変の早期発見にも寄与する。
重要なのは、飲水タイムを「形式的な休止」に終わらせないことである。指導者や医療スタッフは、この時間を活用して選手の状態を観察し、必要に応じて交代やプレー制限を検討する責任がある。

終わりに

飲水タイムは、サッカーという競技特性を踏まえた重要な安全対策であり、適切に理解・運用されて初めてその効果を発揮する。
飲水タイムの実施判断は、主として主審が担うが、その実施にあたっては、大会主催者による事前準備が不可欠であり、WBGT測定、救護体制の整備は組織的責務である。また、指導者は、この時間を活用して選手の体調変化を察知し得る立場にあるが、選手が体調異変を申告しやすい環境を日常的に整える責務もある。
以上のように、JFA熱中症対策ガイドラインは、多職種連携を前提とした「組織の安全管理マニュアル」である。

出典

文光堂 臨床スポーツ医学 2026年8月号(43巻8号)「スポーツと水」
https://www.bunkodo.co.jp/magazine/HST97DUAAO.html?from=backNumber

アーカイブ

JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー